本日ご紹介する本はこちらです。

『子どもの場面緘黙サポートガイド』
2018年12月15日初版発行
著者 金原洋治・高木潤野
発行所 合同出版株式会社
![]() | イラストでわかる子どもの場面緘黙サポートガイド アセスメントと早期対応のための50の指針 [ 金原 洋治 ] 価格:2640円 |

第1章 症例と背景
『症例と背景』ということで、具体的にどんな時に緘黙の子が困っているのかが書かれています。教室で困って固まってる時に、今何に困っているのか、どう対処してあげればいいか分からない時に参考になると思うので、特に学校の先生に読んでもらいたいなぁと思いました。
第2章 支援する視点とやり方
第2章は『支援する視点とやり方』です。
するべきこと、してはいけないこと、子どもを理解すること、そして支援計画を立て実践していくまでが書かれています。
ここでご紹介したいのは、「してはいけない4つのこと」です。
してはいけない4つのこと
- 放置する
- 話すことを強制する
- 恐怖を与える
- 個別性を無視して対応する
例)前の緘黙の子はこれで喋れるようになったんだからできるでしょ?→できるわけない
これも~ほんとにねぇ…、全員に知って欲しいですよ。
絶対にして欲しくないことなんですけど、おそらく緘黙経験者は全員4つとも経験してるんじゃないかなぁ?
私もですが、初期にこれを経験してしまうために大人になってももがいている人が多いように思います。
何をしたら良いかより、何をしてはいけないかをぜひ知っていただきたいです。まずはここからです!
第3章 環境調整・かかわり方の工夫・合理的配慮
第3章は、実践編って感じですね。実際にその子にとってどんな環境にしたら恐怖や不安を和らげることができるか、居心地がよくなるかを考える章になります。
言葉を発する以外のコミュニケーションの取り方や、声を出すきっかけの作り方、合理的配慮についてなどが書かれています。合理的配慮はうまくやらないと「あの子だけ特別扱いしてずるい!」となりかねないので、慎重に行う必要がありますね。
第4章 特別支援教育制度をどう活用するか、関係機関とどう連携するか
この章では普通級以外の学びの場の活用について書かれています。
特別支援学級や通級などは、個々のニーズに応じた支援や指導を柔軟におこなうことが可能です。
なので、通常の学級では難しい緘黙症状の改善に向けての個別指導が受けられるといったところです。
まとめ
今は昔と違って、場面緘黙関係の本もたくさん出版されています。
ですが、まだまだ『場面緘黙』という言葉の知名度は低いです。言葉は知っていても理解までは至らず、誤解を受けることも多々あります。
ひとりでも多くの方に正しい知識をつけていただけるよう、こういった本の紹介をこれからも続けていきたいと思います。
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