本日ご紹介するのは、『虹色なこどもたち』です。著者の星山麻木(ほしやまあさぎ)さんは、一般社団法人こども家族早期発達支援学会会長「一般社団法人 星と虹色な子どもたち」の代表です。
ほかにも、明星大学教育学部教育学科教授保健学博士、日本音楽療法学会認定音楽療法士という肩書もあわせ持っています。

『虹色なこどもたち』
2024年3月15日初版発行
著者 星山麻木
発行 株式会社 世界文化社
こちらの本は、図書館の発達障害コーナーに置かれていたのが最初の出会いでした。あまりゆっくりしている時間がなかったので、さっと読める本はないかと思って手に取りました。
まず、子どもたちの持つ特性をそれぞれ色ごとに表現しているところがおしゃれだと思いました。わたしはどの子になるだろうとか、あの人はアクアちゃんかなと読み進めていくのも面白かったです。
ということで、後日改めて購入しました。
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それぞれの特性

なんでも1番 正義の味方
レッドくん
心優しいあわてんぼう
オレンジちゃん
すばやく動く人情家
イエローちゃん
繊細なきちんとさん
グリーンくん
孤高の天才
アクアちゃん
ゆっくりおおらか
ブルーくん
甘えんぼうのさみしがりや
パープルちゃん
わたしは初めてのところや騒がしいところが苦手なので断然グリーンくんですが、アクアちゃん的な部分もあるし(天才の部分は違う)、おそらく潜在的にはレッドくんです。
本の中は、その子にどういう特性があって、何に困っていて、どんな支援が必要かがそれぞれ書いてありました。カラフルで見やすく構成されているので、とても読みやすい本でした。
私は前述したようにグリーンくん、アクアちゃん、レッドくんの3つの気質があるのですが、どうやらASD(自閉症スペクトラム)傾向であるようです。全然違う特性の3つかと思いましたが、3つともしっかりASDに収まっていますし、ほかの特性にはほぼ当てはまることがないので、完全にASDなのでしょう。
ASD(自閉症スペクトラム)傾向
レッドくん・グリーンくん・アクアちゃん
ADHD(注意欠陥・多動症)傾向
イエローちゃん・オレンジちゃん
知的発達症(軽度)傾向
ブルーくん
愛着障害傾向
パープルちゃん
タイプ別にみる

私の3つの特性をタイプ別にみると…
グリーンくん
受動的なタイプ
アクアちゃん
孤立タイプ
レッドくん
積極的なタイプ
いや、積極的と受動的が混在するってなんだよ…となりますが、おそらく場面緘黙がなければ私の中にいるグリーンくんという特性は弱まっていたと思います。
父が、遠い昔に母に「あの子は喋れたら大変なことになるぞ」と言っていたことがあるそうです。それもそのはず、私は家では気が強くて負けず嫌い、プライドが高くて常に1番じゃないとイヤ!という性格だったので…。
これが緘黙にある自分との葛藤の要因なんだと思います。本来の特性(レッドくん)と緘黙であるが故に顕著になっている特性(グリーンくん)。どちらも自分だけど周囲から見えるのはおそらくグリーンくんの方。
こうなると性格診断でもどちらで答えればいいのかわからず、結果、「あなたに向いている職業」とかも参考にならなかったりします。占いも好きなのですが、占い師さんの言っていることが、こっちの私はそうだけど、こっちの私では違う…みたいな。
あ、アクアちゃんはおそらくどちらにせよ持っている固定の特性だと思います。
深刻な教員不足

そんな感じでひとりひとり特性は違います。しかし、学校は統率をとるために「みんな同じ」である必要があります。特に日本はみんなと同じでないといけないという風潮があるので特性が強く出ている子にはとても窮屈な世界だと思います。
とはいっても普通級で子どもたちひとりひとりに気にかけていられるほど先生に余裕がないことも承知しています。そこで特別支援学級や療育などの利用が助けになるんですね。
私の住んでいる川崎市の市立学校の教員数は、定数に対して131人足りていないという記事をつい最近読みました(4月5日現在)。そのうち小学校では107人不足しているそうです。
団塊世代の大量退職などが一因となっているそうで、現場の教員に掛かる負担が増え、児童生徒への教育の質の低下という悪影響も懸念されています。
そのような中で数十人の子どもたちを見守ること、とても難しくなってきていると思います。
以前転職サイトで、教員の事務仕事をサポートする会社の求人募集が出ていました。特定の先生でなくてもできる仕事はほかの人に振って、先生には純粋に子どもと接する時間を増やしてもらえたらいいなと思います。
まとめ

性格や個性ではなく特性という言葉をちゃんと知ったのは、ほんの1年ほど前。特性とは、得意なことや苦手なことなど、生まれつきその人に備わっている性質・傾向のことです。
特性を理解することは本人でも家族でもなかなか難しいこと。先生や友だちに理解してもらうのはもっと難しいことでしょう。そんな時、この本がきっとなにかのヒントをくれると思います。あらゆる立場の人に読んでいただきたい一冊です。
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